鳩山内閣の支持率下落が止まらない。報道各社の内閣支持率は3割前後まで急落し、とりわけ沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で迷走を続ける鳩山首相の「資質」に厳しい視線が集中している。
だが、政府・与党内からは首相を批判する声は上がらず、異様な静けさを保っている。
19日昼、首相は映画「男はつらいよ」シリーズで知られる山田洋次監督を、首相官邸での昼食に招待した。「あまりつらくて(つらいと)いえないんでしょう」。山田監督が推察するように、首相を取り巻く状況は厳しさを増す一方だ。
内閣支持率が急落しただけではない。いずれの調査でも、不支持の理由として「指導力に期待できない」などの項目が上位を占め、首相自身が内閣支持率を押し下げている主要因であることが明らかになった。首相が「5月末決着」を明言した普天間問題の決着に失敗すれば「支持率は10%台。首相退陣もあり得る」(政府関係者)との見方もある。
首相周辺は「5月危機説」の沈静化に必死だ。平野官房長官は19日の記者会見で、普天間問題での首相退陣の可能性について「そんなことは全くない」と即座に否定。仙谷国家戦略相が16日のテレビ番組収録で衆参同日選に言及したのも、同日選を避けたい衆院議員の心理を逆手にとり「鳩山降ろし」をけん制する狙いとみられる。
首相自身も「5月末の退陣は念頭にない」(周辺)とされる。19日、首相官邸で会談したマレーシアのナジブ首相から公式訪問の要請を受けた首相は、参院選後の「7月以降」と返答した。
政府・与党から首相批判が起こらない背景には、民主党が野党時代、衆院を解散せずに首相交代を繰り返してきた自民党政権を「政権のたらい回し」と批判してきたことがある。ベテラン議員は「参院選前に首相を交代させれば、『民主党も同じだ』と批判を浴びる」と述べる。
一方で、鳩山首相を支えようと普天間問題などで政府・与党が解決にしゃかりきになる姿も見られない。
党内の最大実力者である小沢幹事長も、静観の構えだ。19日、青森市内で記者団に「去年の今ごろも厳しい報道がたくさんあったが、政権を任された。全国を歩いている限り、1年前の時期とそんなに変わらず、皆さんが声援し、期待してくれていると思う」と述べた。「小沢氏がはしごを外さない限り、鳩山首相で参院選に臨むことになる」(小沢氏周辺)との見方が党内には多い。
・
地元・米の合意得る…首相「決着」へ決意表明(読売新聞)・
仕分け対象の独立行政法人と事業(2)(産経新聞)・
アパート火災で2人死傷 東京・足立(産経新聞)・
<汚職>贈賄業者が経営再建狙い幸田町議に工作依頼か 愛知(毎日新聞)・
現役首長らが新党「日本創新党」を結成(読売新聞)